ポップな実験演劇という趣き。大崎のIZUMO GALLERYで、セカイ三大美女 上演会#01「おためしになって」を鑑賞しました。セカイ三大美女は戯曲家2人とコント作家、書家の演劇制作ユニット。「三大」なのにメンバーは女性が4人。このあたりから既にズラしが始まっています。
上演された演目は4つ。『アングラ☆リーガル』は杜若ユウキさんの作。地下アイドルと弁護士のカップルがアイドルユニットの相方をプロダクションの悪徳社長から助ける話。
『コント 解散ライブ』はその後日談。誕生日なのに興味のないアイドルのライブに連れて来られたコールリーダーの彼女が、実は特殊な能力を持っていた。
『コント 決めて』はコールリーダーがバイトしている焼き鳥屋の屋上喫煙所が舞台。優柔不断極まりない男(コールリーダー)が実は国家の重要事項に関与していた。この2篇のコントはヲガタアコカさん作。
そして最後に五郎丸ミドリさんが書いた『おつかれでぃー!』。アイドルユニットの片割れ(実は司法修習生)が先輩OLに居酒屋でくだをまかれる話。元彼が焼き鳥屋のもうひとりのアルバイト。メモワール。
ギャラリーの白い壁一面に貼られた松崎修子さんの書。「社長、契約書を見せていただいてもいいですか」「電車が来たから」等々。はじめはシュールな日めくり風味か、なぜ演劇ユニットに書家? という疑問はお芝居が進むにつれて氷解します。科白の断片なのです。それがテロップのような、でも視界に残り続けるので、変な感じを醸し出す。
それ以外にも半紙に書かれた文字が法律の条文や登場人物の内声を効果的に表す演出です。4つのストリーの登場人物が薄く絡み合って、ひとつの空気を創造する。主宰の五郎丸ミドリさんの安定した演出の手腕。役者陣では、白勢未生さん(オフィスプロジェクトM)と堀晃大さん(3days)の熱演が光ります。
2時間の上演があっという間に終わる頃には雨も上がり、大崎駅までの帰り道、目黒川護岸の桜並木にクリスマスのイルミネーションがピンク色に輝いていました。
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