1曲目はStringsと同じ「チョコレート」。客電が落ちるとカフェとしては暗い客席、開場直後に着いて案内された最前列で、音楽に集中することができました。2曲目サンバのリズムの「残る人」では、間奏の加藤エレナさんのピアノの二拍三連に井上 "JUJU" ヒロシさんがフルートのスタッカートで応え、達人同士の呼吸に痺れる。
「本当はずっと黙っていたい、静かにしていたい人なんやけど」というChiminさんではありますが、めずらしく楽曲毎に作った当時の環境や思いをMCで添えてくれて、今夜はお喋りしたい気持ちだったのかも。お店のアップライトピアノは微かにホンキートンク気味で味わいがあり、Chiminさんのサポートではフルートやソプラノサックスを吹くことが多いJUJUさんのテナーサックスの低音がよく合う。
最近セットリストに入ることが多いフォークルの「悲しくてやりきれない」で6曲の1stセットを終えてインターバルへ。Chiminさんは前半すこしファルセットが出しづらそうに見えました。逆に地声は普段以上によく響いていたのでコントラストからそう感じたのかもしれません。声量の落ちるところをJUJUさんの演奏が優しくカバーしているように聞こえました。
2ndセットは4ビートのブルーズ「茶の味」から。「まるで昔のことのように」の直線的な唱法が新鮮です。アンコールの「世界」まで全13曲のステージからはいつも以上に熱を感じたのと同時に、僕には既に完成しているように聴こえるChiminさんの音楽が、実は毎回が新しく、変化の過程にあるんだな、と思いました。次回12月の吉祥寺Stringsのライブもとても楽しみです。