中華人民共和国貴州省双河洞。フル装備の発掘隊が縦穴を降りていく。10万年前から800年前に岩盤の隙間に落ちて命を落としたジャイアントパンダの化石が鍾乳洞の底に眠っているという。
雪に覆われた四川省臥龍中華大熊猫苑神樹坪基地。双子を出産したルイルイだが、ジャイアントパンダは1頭しか育てない。双子のうち弟は施設内で同時期に出産したシェンシェンの元に里子に出された。母ルイルイと双子の兄は首にバイオトラッカーを装着し、飼育員の牟さんに見守られながら野生復帰を目指している。
2025年に中国で製作されたジャイアントパンダのドキュメンタリーフィルムは、上映館が多いわけでないですが、パンダロスに沈む上野でも公開されているのは東宝の粋な計らいか。中国語の原題は「熊猫奇遇记」(英題は "The Adventure of the Panda")なので、邦題に間違いはないのですが、宣伝文の「パンダのユニークな生態を記録した貴重映像」に対して、どちらかといえばパンダと飼育員の関係性を中心に描いている映画だと思います。
成都大熊貓繁育研究基地の公開エリアに暮らす世界的人気の令嬢パンダ花花(ファーファー)の典雅な所作や、赤ちゃんパンダたちの愛くるしさに身悶えする一方、国内外で長く活躍して帰郷し都江堰基地で老後を穏やかに暮らす23~32歳(人間に換算すると80~100歳台)の老パンダたち、特に食道に腫瘍が見つかり治療中の23歳のリンヤンに尺を割いているのは好感が持てる。
1980年代に1000頭以下に減った個体数は1900頭まで増えたが、未だ絶滅危惧種です。これだけ世界中で愛されており、草食で性格も温和なので、犬や猫のように人間の愛玩動物となって共生する道もあったと思うのですが、採れたての笹竹しか食べないという矜持がそうさせなかった。荘厳なオーケストラの劇伴はちょっと重たく感じました。


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