昨夜のライブの余韻の残る小雨の降る日曜日。中央線に乗って荻窪へ。名曲喫茶ミニヨンで開催された手島絵里子さん(Va)、明利美登里さん(Pf)の室内楽デュオリサイタルを鑑賞しました。
・ドビュッシー:レントよりおそく
・ブルッフ:ロマンス op.85
・ショパン:マズルカ op.24-2 ノクターン op.9-2 ノクターン op.48-1
・ビーバー:パッサカリア ハ短調
・チャイコフスキー:「四季」より 1月 炉端で 4月 松雪草 10月 秋の歌
・ドヴォルザーク:ソナチネ op.100
アンコール
・ドヴォルザーク:ユーモレスク
ヴィオラ奏者の手島絵里子さんは弦楽デュオtriolaのほか、最近特に注目を集めている蓮沼執太フィルのメンバーでもあります。そういったオルタナティブな活動のほかに、正統的なクラシックの演奏も行っています。
今回の演目では、ビーバーのパッサカリアがよかったです。僕は初めて聴くバロック中期の作曲家の無伴奏曲で、その対位法はtriolaを想わせるところがあり、ルーツを垣間見る楽しさを感じました。
あと、おふたりの生徒さんたちでしょうか。きれいなお母さんに連れられた裕福そうな小学生の女子たちが、演奏中の手元をガン見していたのが印象的でした。
昨日のライブ出演でも感じたのですが、音楽にしても、朗読にしても、出演者として、また、観客として、ライブに行くということはコミュニティに参加するということと同義だなあ、と。つまり、自分が身を置いているのと同じ空間にいる、たまたま居合わせた人たちは、何に興味を示し、どんなことに喜びを感じるのか。一部分でも共通するものが必ずあります。家でCDを聴いているだけでは、それを感じることはできません。
日本代表選手はみんな海外に移籍してしまったので、サッカーはもっぱらスカパー!で。ということをおっしゃる方がいて、それは確かにそうなのですが、プレイの質の問題だけではなく、スタジアムで選手と同じ温度と湿度の空気を吸って、生の歓声を聴いて、それをコンスタントに続けることでしか感じられないことがたくさんあります。そういった周辺を、ノイズも含めて丸ごと楽しむのもライブならでは。
そして、日曜の午後、街の片隅に、このようなサロンが存在していて、気軽に参加できるということは、なんて平和で、文化的で、素敵なことなのだろうと思いました。
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