2010年2月11日木曜日

街の猫 いつもの道

小雨降る建国記念の日のお昼前、銀座7丁目のギャラリー、ボザール・ミューで開催中のイラストレーター佐久間真人さんの個展『街の猫 いつもの道』を観に行きました。

ちょうど会場に作者ご本人がいらして、ひとつひとつの作品についてお話をしてくださいました。

佐久間さんの作品は、例えば、同じ風景の昼と夜を描いた連作があるのですが、昼間戸口の前で昼寝していた猫が、夜景では柱の影に潜んでネズミを狙っている、といったように、細部に本当に丁寧な気づかいがあって、いくら見ていても見飽きるということがありません。 作者の中で個々の作品の持つストーリーが時間の流れとして存在しているからだと思います。

佐久間さんは書籍の装丁画も多く手がけていらっしゃいます。それぞれの本の内容に沿った細かいこだわりがあって、たぶんほとんどの読者は見過ごしてしまうところだと思いますが、それらの原画を前に作者本人に解説をしてもらえるのは、なんと贅沢なことでしょう。

最近作は、伊坂幸太郎さん他5人の作家のオムニバスミステリ『蝦蟇倉市事件1』だそうです。

会期は2月14日(日)まで。猫好き、メカ好き、鉄道好き、ミステリ好き、昭和な街並みが好き、いずれかに当てはまる方は必見です!

2010年2月7日日曜日

同行二人 A POETRY READING SHOWCASE

ありそうでなかった組み合わせ。同世代の同業者(詩人)としていつも気になり、刺戟を受けている存在である村田活彦さんと、はじめての朗読二人会を開催します。

村田さんが永代、僕は豊洲と、ふたりとも江東区在住なので、じゃあ会場も江東区でってことで、昨年三月にもイェイツのイベントでお世話になった清澄白河のそら庵さんです。

そら庵さんは、古い印刷工場を改装したカフェで、壁に染み付いたインクの匂いが妙に落ち着くステキなお店。例の回転する芭蕉像のとこです。道がちょっとわかりづらいので、ウェブで地図を調べてきてくださいね。

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同行二人 Dogyo-Ninin
A POETRY READING SHOWCASE

2010年3月13日(土)14:30開場 15:00開演
出演:カワグチタケシ、村田活彦、松浦年洋(g)、中村“ルイーザ”真美(per)
料金:700円(ワンドリンク別)
会場:そら庵(東京都江東区常盤1-1-1)tel. 050-3414-7591     
   http://www.sora-an.info/ sora_an_111@yahoo.co.jp
   
会場の地図はこちら↓
http://www.sora-an.info/access.html
東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A1出口徒歩7分
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今回フライヤーのデザインも僕が担当させてもらいました。蕪村画の「奥の細道」をサンプリング。芭蕉と曾良にならって、早春の午後に。みなさまも、隅田川沿いのボードウォークをお散歩がてら、是非ご来場ください!

2010年2月6日土曜日

おとうと

毎日寒いですね。ユナイテッドシネマ豊洲で『おとうと』を観ました。大田区にある希望ヶ丘商店街の小さな薬局を舞台にしたお話です。 吉永小百合の娘役の蒼井優目線で物語が進みます。

山田洋次監督作品をいつもテレビで観ていて、くぐもった色調の画面に古臭さを感じていたのですが、劇場で観ると実にしっくり来るものなんですね。

映画自体はヨウジ的というよりも、台詞やフレームワークは小津映画のようでした。松竹の伝統芸なのかな。キムラ緑子のストッキングのかかとがほつれているところ、吉永小百合が大阪に向かうとき新幹線の通路側の席に座っているところ、などなどたくさん細かい演出があって、丁寧に作られています。

脇役だと、ホスピスのスタッフを演じた石田ゆり子がよかったです。年を重ねるごとにいい役者さんになっていくと思います。

テレビドラマの『ありふれた奇蹟』でも思いましたが、加瀬亮は作業着が似合います。あと、アイリッシュトラッドとの親和性が高いみたい。