草むらを疾走する黄色いニットキャップに眼鏡の少年が、森の中で冬村かえで(池松壮亮)が149人目のターゲットを仕留めているところに出くわし、顔に返り血を浴びたかえでにミニタオルを手渡す。
舞台は変わり、宮﨑のビーチリゾートではしゃぐ杉本ちさと(高石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)。協会所属の殺し屋である二人は依頼を受けて、昨夜は色違いのマリメッコのポンチョを着て複数名の半グレを葬ってきた。
次のターゲットは松浦(かいばしら)。偽情報をつかませ宮崎県庁に呼び寄せたが、まひろとちさとが部屋に踏み込んだとき、かえでが松浦に銃を向けていた。銃撃戦の末、かえでも松浦も逃したふたりのもとに現れた殺し屋協会の入鹿(前田敦子)と七瀬(大谷主水)。協会に属さない野良の殺し屋のせいでターゲットを逃がしたとなると協会のメンツが潰れる、4人チームでかえでと松浦を探し出して始末する、と告げる。
女子二人組の凄腕殺し屋のゆるふわな日常とガチ過ぎる殺戮シーンのギャップが魅力の人気シリーズの劇場版第3作です(地上波30分ドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』も現在テレ東で放映中)。ザッツ・エンターテインメント。今作も安心してハラハラできます。
前二作と比較して、日常シーンの脱力トークよりアクションの比重が若干上がったかと思います。かえでがとにかく強いので、まひろとのバトルは見応えがある。池松壮亮が身体作りから相当気合を入れてがんばっており、前田敦子(左利き)も灰原哀に憧れたというコミュ障でドSの先輩役を得意のツンデレ演技で好演しています。清掃係の宮内さん(中井友望)も存在感が大いに増しました。
アクション映画の優れた戦闘シーンは、血しぶきこそ上がるものの、ミュージカル映画における複雑なシークエンスの群舞シーンみたいだな、と思います。そこには形式性と様式美があり、形式性からはみ出してしまう身体性があり、様式美から逸脱しようという作家性とせめぎ合う。
まひろの二十歳の誕生日にちさとが用意した苺のショートケーキは第一作のラストシーンとつながる主人公二人の絆。「ビジュ爆発」など第二作からの引用もリピーターにはうれしい。まひろが着ているTシャツは、第一作の 忘れらんねえよ、LOU REED、第二作の BUZZCOCKS、WEEZER、RIDEに続いて、今作は Fender、andymori、FUGAZIでした。
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