2014年7月26日土曜日

日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」

梅雨が明けたと思ったら、東京は立て続けの猛暑日です。体調を崩したりしていませんか? 夏の終わりのライブのお知らせです。

カワグチタケシ2014年唯一となるソロライブは、リスペクトするミュージシャン、ノラオンナさんが日曜店長をつとめる「アサガヤノラの物語」にて。完全予約制先着10名様限定の超プレミアムディナーショー! 「銀座のノラの物語」が阿佐ヶ谷にお引っ越しして一年。おかず2品と炊き込みご飯が増えて、しかも500円お得になりました。中央線特価!

JR中央線阿佐ヶ谷駅南口徒歩4分35秒「Barトリアエズ」にて。生声の朗読とノラオンナさんの絶品手料理をお楽しみください!

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日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」

出演:カワグチタケシ
日時:2014年8月31日(日)
   17時開場、18時開演、19時~バータイム
会場:Barトリアエズ 東京都杉並区阿佐ヶ谷南3-43-1 NKハイツ1F
料金:4,500円
   ライブチャージ
   5種のおかずと炊き込みご飯のアサノラ弁当(味噌汁付)
   ハイボール飲み放題(ソフトドリンクはウーロン茶かオレンジジュース)
   スナック菓子3種
   以上全部込みの料金です。

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更に御来場の皆様には、もれなくアサノラ限定カワグチタケシ新作訳詞集 "suger, honey, peach +love" (CD付)を差し上げます。

2011年3月11日の東日本大震災以降、詩を書かない期間がありました。しばらく経って自分が言葉を強く欲していること、それも甘い言葉を欲していることに気づきました。

でも自分のなかにはしょっぱい言葉しか見つけられなかった。それで自分の外側にある言葉を採集することに。ジャズのスタンダードからサイケデリック、ソフトロック、パンク。1950~90年代のポップミュージックの歌詞をリハビリをするように翻訳しはじめました。

自作詩の創作を再開したいまも訳詞を並行しており、50曲程仕上げています。そのうち厳選した10曲の訳詞を冊子にまとめました。

昨年はソロライブを3回開催しましたが、今年はこの1回のみにする予定です。夏休みの最後の一日をみなさんと一緒に過ごせたら幸いです。

*完全予約制、先着10名様限定です。
 ご予約は nora_onna@hotmail.co.jp まで。お名前、人数、
 お電話番号をお知らせください。
 お席に限りがございます。どうぞお早目に!

*8月7日追記:おかげさまでご予約で満席になりました。
 どうもありがとうございます。キャンセルが出ましたら
 またお知らせします!

 

2014年7月21日月曜日

Kitchen Table Music Hour vol.2

僕が普段、自宅のキッチンテーブルで、本を読んだり、お菓子を食べたり、詩を書いたり、詩集の製本をしたりしているときに聴いている音楽を生演奏でお届けしましょう、というライブ "Kitchen Table Music Hour"。前回に引き続きJAZZ喫茶映画館さんで、本日vol.2を開催させていただきました。

素晴らしいウクレレ奏者でもあるシンガーソングライターのおふたりに海の日の祝日を彩ってもらおうという趣向。奏でる楽器は同じでもいろんな意味で対照的なふたりの音楽をお楽しみいただけたのではないでしょうか。

原色に近い赤でルーズシルエットのワンピース姿のmoqmoq(オカザキエミ)さん(画像)。ソリッドでハードエッジなウクレレ。弦一本一本の音がシャープに立っています。彼女の書くメロディは、R&Bに憧れた白人音楽をアジアの感性でもうひとひねりしたようなところがあり、歌詞に描かれた風景や植物もくっきりとした輪郭を持っています。一般的な美声の価値観からはすこし外れますが、どうしても耳に残るソウルフルな歌声。右肩には小鳥が乗っています。

ノラオンナさんは黄色のストライプのタイトなワンピース。ピアニシモからメゾフォルテまでウクレレの持つレンジをフルに使っていますがあくまでもソフトタッチでさざなみのよう。硬質で言葉数を切り詰めた歌詞がこのウクレレと低い歌声に乗ると、途端に柔らかな抒情性を帯びるマジック。楽器を弾いています、という感じがしない。彼女が発するすべてが渾然一体となって、音楽としか呼びようのないものになります。

ふたりに共通しているところはオーソドックスなのに誰にも似ていないところ。それを誠実に正確に丁寧に届けようという意思の強さ。新しいスタンダードナンバーはこのようにして生まれるんじゃないかと思います。

僕自身とても楽しめましたし、お客様もきっとそうだと思います。いつも快く会場を提供してくださる映画館のマスターご夫妻に感謝します。看板猫の虎太郎くんも終演後に姿を見せてくれました。

vol.1とvol.2のあいだが10ヶ月も空いてしまったのですが、次回vol.3は2ヶ月後。9/27(土)に同じくJAZZ喫茶映画館さんにて、mueさんとvol.1にもご出演いただいたまえかわとも子さんをお招きしてお届けします。ブラジル音楽をベースにしながら独自の進化を遂げつつあるふたりの音楽をどうぞお楽しみください。

ようやく秋らしくなったころ、土曜日の午後。坂道のある街のジャズ喫茶で、またみなさんにお会いできたらと思います。


2014年7月20日日曜日

フィクショネス詩の教室 最終回スペシャル

1998年秋、僕がNYの詩人シャロン・メズマーの詩集の書評を書いたAMERICAN BOOK JAMで広告を見つけて下北沢を訪れたのが、書店フィクショネスと店主藤谷治氏との出会いでした。そして1年半後の2000年3月、詩の教室が始まりました。

曜日や時間は何度か変わりましたが、14年間毎月続けてきました。最少催行人割れの流会は別として(笑)、休講はたしか、台風と父の葬儀と僕のインフルエンザの3回だけだったと思います。

その間、百名以上の詩人の数百篇の詩作品を紹介してきました。また参加者の作品には毎回感心されられつつも、みんなで修正ポイントを探し出してアドヴァイスし合いました。教室の準備も含めて、僕にとっても多くの詩を深く読み込んだ豊かな時間でした。

店主が小説家として正念場を迎え(?)、店舗(といってもほぼ書斎)を閉めることになり、これに伴って詩の教室も終了することになりました。

最終回は僕のわがままで、いままで教室で紹介した詩作品のなかから、特に好きなものや何かの契機になったものを選んで朗読させてもらいました。

宮沢賢治「春と修羅 序」(1924)
室生犀星「はる」(1916)
西脇順三郎「眼」(1933)
伊東静雄「わがひとに與ふる哀歌」(1934)
金子光晴「落下傘」(1938)
草野心平「窓」(1940)
村野四郎「体操」(1939)
田村隆一「腐敗性物質」(1966)
吉岡実「過去」(1955)
長谷川龍生「理髪店にて」(1957)
吉本隆明「恋唄」(1958)
那珂太郎「秋の・・・」(1959)
中江俊夫「地球」(1952)
岸田衿子「音無姫」(1957)
長田弘「言葉と行為のあいだには」(1965)
茨木のり子「自分の感受性くらい」(1975)
伊藤比呂美「アウシュビッツ ミーハー」(1985)
カオリンタウミ「RAMBLING IN THE RAIN」(1997)
究極Q太郎「あるホームレス」(2000)
田口犬男「菜食主義者のために」(2002)

これ以外にも、アポリネール、シュペルヴィエルをすこし、過去の参加者の作品も一篇取り上げました。

参加費分のエンターテインメントを提供しなくてはならないと、14年の途中にはそれなりのプレッシャーもありましたが、これだけ長く続けてこられたのは、参加者のみなさんと店主の藤谷氏のおかげです。どうもありがとうございました。Poetry is everywhere, anywhere. とシャロン・メズマーも言っていました。今日会えた方も会えなかった方も、どうかこれからも詩を忘れずに。



2014年7月19日土曜日

PRESENT

ひと月ぶりの更新です。梅雨明け間近の土曜日の昼下がり。下北沢OFFOFFシアターで劇団フライングステージ第39回公演『PRESENT』を鑑賞しました。

フリーターの太陽(澤口渉)と地方公務員坂井(阪上善樹)は同棲3年目の30代ゲイカップル。ある休日の朝、太陽はHIV検査で陽性が出たことを坂井に告げる。

フライングステージはカミングアウトしているゲイの劇団です。このお芝居の初演は2003年。たぶんそのときにも観たはずなのですが、まったく筋を覚えておらず、新鮮な目で楽しめました。

テーマは重いのですが、全体にコメディタッチな演出で、ふたりを取り巻く人々も皆お人よしの善人ばかり。石関準さん演じるトイプードルのブリーダーのみっちゃんのおネエならではの毒舌とおせっかいの暴走ぶりは笑えます。

作・演出の関根信一さんは主人公の母親役。(ノンケの)おばさん役が板につき過ぎてもう男性を演じる姿が想像つかないほどです。「孫がいるようには見えないでしょ?」という台詞が客席の一番の笑いどころでした。役の設定は52歳。実年齢は僕と同じ49歳。見た目の大御所感は還暦オーバー(笑)。

唯一の女性出演者(生物学上の)HIV陽性者のサポートボランティア役の木村佐都美さん(おちないリンゴ)の3パターンの衣装の鮮やかな色合いと金髪のヅラがとてもよく似合っていました。

タイトルの"PRESENT"を字義通りに取ればラストシーンのクリスマスの贈り物につながりますが、それは同時に「提案」「現在」「存在」でもあり、更に"GIFT"であれば「才能」「個性」という意味も含まれているのだなあ、と思いました。




2014年6月21日土曜日

Kitchen Table Music Hour vol.2

ご好評を戴いた昨年9月のKitchen Table Music Hour vol.1に続いてvol.2を開催します。僕が普段自宅や移動中聴いている音楽を「いかがですか」と、親しい人たちに丁寧に手渡すような小さな音楽会。僕は出演せず、企画とプロモーションのみで。僕の好きな音楽にどれくらいみんな興味を持って集まってくれるだろう。

第2回まで思いのほか時間がかかってしまいましたが、急がず、クオリティの高いショーをお届けできることをうれしく思います。海辺生まれの素晴らしいウクレレ奏者でもあるふたりのソングライターの歌を海の日に聴いていただくことになりました。夏、砂浜、波、太陽、星。どうぞお楽しみください!

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カワグチタケシ presents "Kitchen Table Music Hour vol.2"

日時:2014年7月21日(月・祝) Open 15:00 Start 15:30
出演:ノラオンナ 歌とウクレレ
    moqmoq(オカザキエミ)うたとウクレレ、ときどきカリンバ。
会場:JAZZ喫茶映画館
    〒116-0013 東京都文京区白山5-33-19
    03-3811-8932 http://www6.ocn.ne.jp/~eigakan/
料金:無料(1drink order)+投げ銭
※会場の地図はこちら

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*ノラオンナ http://noraonna.jpn.org/
ウクレレ弾き語りのほか、ギタリスト見田諭とのデュオ、5人編成バンド “港ハイライト” 作詞作曲ボーカル。CD「いいわけイレブン」「かもめのデュオさん」etc.. 函館生まれ阿佐ヶ谷在住。 ⇒YouTube「あの海に行きたい」 

*moqmoq(オカザキエミ)  http://hatomugyu.net/
小さな生楽器と声だけで独自の音楽を創造する。ex.HAREM、あしのなかゆび、等。CD「海とうた」「るすばん」moqmoq、「あしのなかゆび」あしのなかゆび、etc.. 川崎生まれ横浜在住。 ⇒YouTube「波乗りと太陽」 

■JAZZ喫茶映画館 http://www6.ocn.ne.jp/~eigakan/
都営地下鉄三田線白山駅下車A3出口裏徒歩1分。1978年開店の老舗ジャズ喫茶。マスター手作りの真空管オーディオシステムとネルドリップコーヒー。壁にはヌーベルバーグのポスターと沢山の振り子時計がチクタク鳴っている。猫もいます。

"Kitchen Table Music Hour"は投げ銭制ですので、ご予約は不要です。おしまいまで聴いても夕飯のお支度に間に合う設定になっています。お誘いあわせの上、是非いらしてください!




2014年6月19日木曜日

Poemusica Vol.30

夏至の2日前。日照時間の長いこの季節の東京で、リハーサルの途中からゆっくりと陽が傾き、日没と開演がほぼ同じ時間です。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPで、Poemusica Vol.30が開催されました。

水戸から長距離バスで来た芦田ちえみさん(画像)。空間処理を意識したコンテンポラリーな音像。あえてまばらに配置されたウクレレの分散和音が心地良い。「どうしてだろう、ここに来ると話したいことが話せない」と笑う。周囲数百メートルの世界への違和感の表明をモチベーションの原点にしながら、一周半廻って柔らかく響く歌声。人の声が息で出来ていて、肺から咽喉を通って発せられるという当たり前のことをもう一度思い出させてくれます。

齊藤さっこさんの描く世界はロマンチックでドラマチック。古き良きハリウッド映画の主題歌のような安定感と絢爛さのある懐の深い音楽です。音圧の高いピアノ、全帯域で澄み渡った歌声には、過ぎた恋や愛犬のことを歌っていても、恋の始まりのそのまた予感みたいなときめきがあって、聴いていてそわそわしてしまいます。潔く刈られたスキンヘッドの下に鎖骨やうなじがよく見えて、女の人の首って美しいものだなあ、と思いながら聴いていました。

僕にとって今回一番のサプライズははらかなこさんのピアノでした。2012年のクリスマスにPoemusica Vol.12 ~音の葉・言の葉・柊の葉~で共演したときは、溌剌として楽しくもどこかとっ散らかった演奏に好感を持ちましたが、1年半ぶりに会い容姿が美しく洗練されていたのにもまして、演奏が格段に上達し、持ち前の躍動感に加えて緻密さや一音一音の粒立ちの美しさが加わり、その表現力に驚きました。伸び盛りの姿が眩しかったです。

記念すべき30回目のPoemusicaに僕が選んだのは、夏至の詩「ガーデニア Co.」、世界の人口の12分の1存在する6月生れの人たち(僕もそのひとりです)に「バースデーソング」、そして「蛍」の3篇です。丁寧に、抑制された表現を心がけましたが、伝わりましたでしょうか?

Poemusicaは7月はお休みして、次回vol.31は8月21日(木)。素晴らしいミュージシャンにお声掛けしております。どうぞお楽しみに!

僕の次のライブは7月20日(日)。下北沢の書店フィクショネスが7月22日で閉店するのに伴い、14年半毎月続けてきた詩の教室も終了することになりました。最終回はこれまでの感謝を込めて、教室で紹介した数百篇の詩作品のなかから厳選した20篇をカバー朗読するスペシャル版です。作品の合評はハードルが高いと尻ごみされていた方も、是非この機会に。下北沢のレジェンド(笑)を見届けにきてください! 

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フィクショネス詩の教室 最終回スペシャル

日時:2014年7月20日(日) Start 18:00
会場:書店フィクショネス
    世田谷区北沢2-12-2 翔鶴ビル2F
    小田急線・京王井の頭線下北沢駅南口徒歩2分
    03-5430-6352 
料金:1,620円
出演:カワグチタケシ

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2014年6月14日土曜日

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

梅雨の晴れ間。日比谷TOHOシネマズシャンテで、2013年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員特別グランプリ受賞作品『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』を観ました。コーエン兄弟監督映画を劇場で観るのは1996年の『ファーゴ』以来です。

舞台は1961年のニューヨーク。主人公ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)は住所不定のフォークシンガー。マイク&ルーウィンというデュオでメジャーデビューしたものの、相方の飛び降り自殺によって解散。

ひょんなきっかけから猫一匹とギターケースを抱えて放浪が始まり、恋人(?)に妊娠を告げられ、元恋人が秘かに自分の子を産んでいたことを知り、素頓狂なコミックソングのレコーディングを経て、雪のシカゴへ奇妙な長距離ドライヴ。レコードレーベルのオーナーには「金の匂いがしない」と評価してもらえず、ニューヨークに戻りいつものライブカフェで冒頭のシーンにループ。対バンは若きボブ・ディラン。

クールでスタイリッシュな映像ですが、主人公以外の登場人物の行動がどこかしら過剰でズレており、物語の時系列も微妙に乱れ、なんとも言えず不安定な後味なのですが、これらがすべて、ライブ中に飛ばした野次のせいでヤクザ者にフルボッコされたルーウィンが見た一夜のナイトメアだとすれば合点のいく話です。

"Inside Llewyn Davis" はソロデビューアルバムのタイトルですが、彼の脳内で起こったこと(=夢オチ)とのダブルミーニング。まんまとコーエン兄弟の手玉に取られました。お見事。そして、ルーウィンの歌とギターも、T-ボーン・バーネットのサウンドトラックも、音楽はどのシーンでも心地良く素敵です。

『華麗なるギャツビー』で世間知らずのお嬢様デイジーを可憐に演じたキャリー・マリガンがこの映画でもヒロインですが、タートルネックを着たフォーキーなビッチ、ジーン・バーキー役を好演。台詞の約半分は"fuck"と"shit"です。

ジーン「人には2種類いて、上を目指す者と負け犬。あなたはいつも負け犬よ」、ルーウィン「俺が考えるに人は2種類だ。人を2種類に分けたがる奴と…、」、ジーン「負け犬よ!」、で客席爆笑。