2025年2月10日月曜日

Chimin TRIO

建国記念の日の前日は厳寒。吉祥寺StringChiminさんの歌を聴きに行きました。

加藤エレナさんのピアノがパーカッシブな「茶の味」で始まったライブ。この日一番のハイテンポ曲「残る人」のアウトロで聴かせる井上"JUJU"ヒロシさんのフルートとの心躍る掛け合い。「住処」の二声のハーモ二―が美しい。バレンタイン直前に聴く「チョコレート」はいつも以上にのびのびと感じる。前半最終曲「死んだ男の残したものは」はテナーサックスver.でした。

休憩を挟んで後半はミディアムテンポの「シンキロウ」から。JUJUさんとエレナさんの呼吸は名人同士の対局のよう。「」はわずかにテンポアップして演奏されChiminさんの歌声も若干ハスキー寄り、つづく「まるで昔のことのように」もピアノアレンジに変更が加えられ、後半の分散和音はさざなみのように揺れる。

今回のセットリストは2024年12月13日に同じ会場で歌ったものと同じとのことです(実際には12月に歌った「アリラン」が今回はなかった)。「昔のいい曲があるし、いまは自分の歴史を歌っていこうかと思う」と言うChiminさん。新曲をどんどん作るというよりも現在はそういうモードなのでしょう。定番の良さというものがあり、好きな歌を好きな声でなら何度でも聴きたいし、むしろそのほうが変化に敏感になる。

もうだいぶ前のことですが2000年頃、ラスタカラーのリサイクルマークに If the music's nice, play it twice とバックプリントされたTシャツを気に入ってよく着ていたことを思い出しました。

2012年のアルバム『住処』の制作中に大阪城の正面にある土産物屋さんでアルバイトをしていたというのを聞いて、生きていれば生活があるのは当然なのですが、僕の中でChiminさんは想像上の架空の生物、妖精のような存在なので、とても意外な気がしてしまう。そういった感情を呼び覚ます音楽家を人は歌姫と呼ぶのでしょう。


 

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