2024年4月11日木曜日

地球バンドで、君の音を聞かせて

花冷え。吉祥寺MANDA-LA2で開催されたmue活動23周年ワンマンライブ『地球バンドで、君の音を聞かせて』に行きました。毎年4月11日の周年ライブです。

年一回だったバンドセットのワンマンライブが2023~2024年は4回。7/11(火)『どんな気持ちも感じたままに踊る』、10/11(水)『思ったとおりにする魔法』、1/6(土)『冬ごもりの食卓』と同じ熊谷太輔さん(dr)、市村浩さん(b)、タカスギケイさん(g)の3人と1年間磨き上げたアンサンブルを堪能しました。

バンドメンバーに先導されて真っ赤なワンピース姿のmueさんが登場し、いつものように客電を点けてフロアを見渡し笑う。約2時間半、本編25曲、アンコール2曲のセットリストは23年というよりこの1年の集大成といえる現在と未来を見通したもの。2曲目「いまここに」はめずらしく四つ打ちだが8ビートを感じる重心の低いリズムセクション、新曲「イシキムイシキ」は魅惑の中近東音階、と新機軸を惜しみなく投入する。

パンデイロ叩き語りの「見つけ出して、ひっくり返す」は2015年の『ガラクタの城』以来かな。ジャジーな4ビートの「24 hours」で前半を締めます。

後半は『マイフェアレディ』の「君住む街角」をスタンディングで歌い、ピアノ曲のターンへ。饒舌な「外の声」から「まだどこにも書かれていないことをする」「大きな流れをつくる」「宇宙な生活」のアンビエント/サイケデリックなパートが僕的ハイライトでした。「都会のジャングル」ではmueさんのライブでは初めて体験するコール&レスポンスに驚愕し「ほんとうの夢をおしえて」の半音下降に心奪われました。

アンコールはチャップリンの「Smile」。これは2015年に谷中ボッサで開催したmueさんの洋楽カバーと僕の訳詞朗読のライブ『sugar, honey, peach +love』から(でもSmileだけmue訳なのです)。

今夜のmueさんは、歌声が本当によく通って、柔らかくてクリア。「23年続けているとは思えないフライヤーと態度」と自虐気味なMCがありましたが、ひとたび演奏が始まると会場一杯に響くその音楽は確信と冒険に満ちており、ステージにも客席にも多幸感が広がって、これは夢なのかな、と思う、魔法が確かに存在する東京の夜でした。

 

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