2001年ロンドンの下町カムデン・タウン。18歳のエイミー(マリサ・アベラ)が父方の祖母のホームパーティで "Fly Me To The Moon" を歌い始めるとその声に一同聞き耳を立てる。
祖母シンシア(レスリー・マンヴィル)はロンドンの老舗ロニー・スコッツで歌っていた元ジャズシンガー、母と別居している父ミッチ(エディ・マーサン)は歌の上手いタクシ―ドライバー。中流階層のユダヤ系の家で育った。
アイリッシュ・パブで歌っているところをスカウトされるが、アイランド・レコードでプロデューサーやA&Rにストラトキャスターの弾き語りスタイルを否定されてキレたエイミーはオフィスを飛び出す。パブGOOD MIXERのカウンターで酒をあおっているところにフレッド・ペリーを来たイケメンが登場。ジュークボックスでザ・シャングリラズの "Leader Of The Pack" をかけたブレイク(ジャック・オコンネル)に一目惚れする。
2008年のグラミー賞で5部門受賞し、"FRANK"と"BACK TO BLACK" 2枚の名盤を残して2011年に27歳で亡くなった不世出のミュージシャン、エイミー・ワインハウスの伝記映画です。生前はアルコールとドラッグの影響による奇行でメディアをしばしば賑わしました。本作では、音楽と同じかそれ以上の比重で私生活を描いており、不実な恋人ブレイク(のちにマイアミで結婚)との破滅的な共依存関係は見ていて少々滅入りますが、音楽は素晴らしいです。
サラ・ヴォーンとダイナ・ワシントンに憧れているが、ローリン・ヒルやマッシヴ・アタックも好き。そのバランス感覚がノスタルジックなソウル/R&Bを2000年代の最新テクノロジーで再構築する。1990年代のレニー・クラヴィッツや2010年代の藤井風にも通じるセンス。デビュー前のソロステージはフロレンシア・ルイス、フアナ・モリーナらアルゼンチン音響派の影響も感じます。アルバム・アートワークや使用するフォントが近未来的なのはSPICE GIRLSのプロダクション19 Entertainmentのサイモン・フラーが関わっているからなんですね。
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