2017年6月22日木曜日

mandimimi 1st EP "Unicorn Songbook: Journeys" リリース記念ライブ

夏日でも6月なので日が落ちると涼しい。渋谷サラヴァ東京へ。mandimimiさんの1st EP "Unicorn Songbook: Journeys" リリース記念ライブにお邪魔しました。

台湾系アメリカ人SSWの Mandyさんは、台湾高雄で生まれ、米国西海岸シアトルに家族で移住。その後、八戸、神戸を経て、現在は東京在住です。ソロプロジェクト名をmandimimiに改め、6曲入りのEPを発表。

そのライフスタイルはノマド的というより、もっと土地土地にしっかりとした生活の基盤と人間関係を築いているように思えます。CDタイトルのJourneysにちなんで、これまで暮らした地で綴った歌を唱うという構成でした。

彼女とは昨年4月に等々力の生花店Iriaさんで出会いました。笑顔で生まれてきてそのまま大人になる人がいるんだなあ、というのが第一印象。口角が常に上がっており、笑うと更に目が三日月型になる。ゆるふわな語り口とナチュラルなビジュアルには、同性が思わず「かわいい!」と言ってしまう要素が詰まっています。

敢えてタイム感やグルーヴを排除し、過剰なまでにレガートを重ねたノスタルジックなピアノの響きは、Harold Budd 的なアンビエンスで空間を浮遊する。

なんだろうこの懐かしさは、と思って聴いていましたが、アンコールで歌ったニール・ヤングの "Only Love Can Break Your Heart" に至ってやっと気づきました。ミディアム~スローテンポと語尾が微妙にフラットするスウィートな中音域のウィスパーヴォイスにコーティングされていますが、自作の楽曲の骨格はグランジ~ミクスチュア~エモ。彼らが時にはっとするような美しいバラードを歌う。その瞬間を濃縮還元したかのようです。やはり思春期をシアトルで過ごした影響が強いのかもしれません。昨夏のギャラリーイベント限定シングルでは Death Cab For Cutie の "Transatlanticism" をカバーしていました。

中国語、英語、日本語のトリリンガルなMandyさんですが、歌詞は英語が大半。完璧なイントネーションの日本語を話すのに、日本語詞を歌うとちょっとだけたどたどしくなるところも逆にチャーミングです。

途中から加わった照井陽平さんのガットギターとコーラスも終始優しく、mandimimiとしての出発を会場全体が静かに祝福していました。



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